1週間前の話ですが、NEJI初のポップアップストア『ねじ店 2023』が無事に終わりました。
日曜日は墨田区・菊川の立ち呑み屋、月曜日は新宿区・江戸川橋の古民家を改装したアトリエと、両日ともに変なロケーション、不便なアクセスであったにもかかわらず、多くの方々にお越し頂きました。開催前、準備段階の時期に、知人・友人にそういったプランを話すと、大概の場合「そんなところでやるんですか?みんな行きづらくないですか?」と、口を揃えて静かに警鐘を鳴らされたりもしましたが、僕の中では不思議と不安はありませんでした。趣向を凝らした、と言ってよいのかどうかは分かりませんが「ウェルカムドリンクがホッピー」というイベントは、色んな意味で嗜好性が高いことには違いない。一般的な「土日開催」にしなかったのも、基本的に日曜日に仕事をして月曜日に時間や休みを取れるのは「嗜好性強めの人」だと思っていたから。だって、そうでしょう?普段は在宅ワークの人でも、月曜日だけは出社して対面式でミーティングしたりする。普通は。
案の定、とか言うと他人を軽く見ているように聞こえるかもしれないけれど、そうではなく、日曜日の立ち呑み屋には勤め人の中でもとりわけピュアでセンシティブで情熱のあるお客様が、月曜日にはファッションやデザインや映画やモノ作りに関わりながら世間と違うペースで生きているけれど、やはり同じようにピュアでセンシティブで情熱のあるお客様が、いらっしゃいました。
つまり、NEJIの希望的観測を(大いに)含めた僕の妄想通りに集客するということは、社会の中で見るとバグ、アクシデント、想定外、ビッグデータが捕まえきれない、つまり、一網打尽の「網(あみ)」の目をすり抜ける小魚の猛烈なスピード感なのです。このスピードは思いのほか速く、大手企業のマーケティングに含まれない(というか、その存在すらも認識できないほど含みようがない)。勿論、ここで言うスピード感とは、トレンドの移り変わりや顧客の趣味・趣向の変化の速さを意味するものではなく、むしろすり抜けるスピード。そこにある網が「信頼できない」「広告」「パイプ」だと感じた瞬間、その大きな潮流とは違う方向へ泳ごうとする判断のスピードを意味するのです。なんて、小賢しいロジックを並べ立てたところで、それすらも、単なるマーケティング。
そんな冷めた目線でやるくらいなら、こんな不便なポップアップなんて開催しないほうがいいんだけど、それでも「やってみたい」という気持ちがリスクを上回った。結果として「スピード感強めの人」がたくさん集まってくださった。
つまり、僕が良いと思うことを良いと思う人が一定数いて、僕が嫌だと思うことを嫌だと思う人が一定数いるということを確認するためには、他の要素、つまり「天」「地」「人」のうち「天(時間、タイミング)」と「地(交通の便、立地)」を(一旦は)出来るだけ捨て去る必要があったのです。
と、まぁそんなことはどうでも良いと思うのですが、何れにしても多くのお客様に支えられて無事にイベントを終えることができ、いまも居酒屋でチューハイを飲みながらこのブログを書くことができているのもすべて、NEJIを応援してくれたり興味を持ってくれたりする方々のおかげです。と、御礼とも言えないような不躾(ぶしつけ)な゙ブログですが、でも、たしかに僕は御礼のつもりでこの文章を書いています。心よりありがとうございます。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。
NEJI 鶴田
2023.12.19