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Study

『STUDY Vol.4(AI ver.)』










「NEJIのNEJIによるNEJIのための習作」番外編は「1976年パリの◯◯にいる✕✕な△△」と条件入力し、AIで生成した中途半端シュールなフェイク広告写真。

 

しばらく前からSNS上で「この写真はAIを使って生成されました」的なタグが発生しているのが気になっていた。僕は基本的にアナログ寄りの人間だけど、AIによる画像生成ってどんな感じのものなのかを試してみたいと思ったので、WEB上で見つけた Image Creator を使用して挑戦してみた。ファッションフォトっぽくするつもりで「1976年パリの◯◯にいる××な△△」と次々に条件入力、数秒すると3~4枚の画像が生成、僕のアカウントにアップロードされてくる。実際にやってみて気になったのは、条件入力を微妙に変えながら何度繰り返しても似たような顔ばかりが出てくる点。テキスト入力(つまり、AIへの指示出し)のスキル(慣れ)がないと、思っているような生成には辿り着けないようだ。とりあえず「こんな感じかな」と思えるものを9枚作ってもらった時点で止めた。というか、飽きた。

 

出来上がった9人の男女は、世界のどこかにいそうな気もするけれど、実際はこの世に髪の毛一本存在したことのない架空の人物という不気味。せっかくなので画像編集ソフトでDKCのロゴを乗せ、ノイズを入れて画質を荒らし、40年前の広告スナップみたいな感じに仕上げてみた。ついでに、各モデルには名前を付けてみた。ちなみに、上から4番目の彼女の名は「LOUISE」、7番目の女性は「MAMIKO ISHII」。それぞれ「1976年パリでイブ・サンローランのジャケットを着たスキンヘッドのアフリカ系女性がタバコを吸っている」と「1976年パリでケンゾーのドレスを着た日本人女性」というテキストから生成された。WEB上にある無限のデータのなかから組み合わせて作られているにもかかわらず、各要素のチョイス自体は意外と平坦なんだな、と思った。「1980年代のニューヨークでアルマーニのスーツを着たアメリカ人男性」と入力したら、10回繰り返しても顔が全員リチャード・ギアだった。まぁ、そうなんでしょうけどね。「アメリカン・ジゴロ」だろ?わかるけどね。でも1980年代アメリカ人男性の典型がリチャード・ギアだとイケメンレベル高すぎだろう。もうちょっと不細工を生成するにはどういったテキストで指示を出すのだろうか?ちなみにスーツの形はまったくアルマーニしておらず、むしろイギリス風のカタい雰囲気で、AI君、もうちょっとファッションを勉強しないとね。…いや、逆か。僕のほうがAI君の活かし方をもっと勉強しないといけないってことなのだろう。

 

全体的に不気味なこのムード。空虚さ。しかし、上から2番目「1976年パリでシャネルを着た日本人女性がタバコを吸っている」から生まれた「MAKI MIZUE」さんをじっくり間違い探しをしてみると、少しゾッとするような違和感の根源に気付く。

MODELS: :

ISAMU HASHIZUME、MAKI MIZUE、MENG LIAN、LOUISE、MASARU ISHIDA、JODIE、MAMIKO ISHII、ARTHUR PERRIN、ADJOA

PHOTOGRAPHY: :

AI

DIRECTION: :

NEJI

2024.08.03